その夜、僕はなかなか寝付けないでいた

 今までこの時間に寝てなかった気がする
 
 何かしていたはずなんだ
 
 だけど思い出せない
 
 僕の思い過ごしかな・・・?

 
 「ねぇ、ハリー。」
 
 「・・・ん?何だいこんな遅くに?」
 
 
 ロンは寝ているハリーを揺すって起こした
 
 
 「ゴメン。何だか僕寝付けないんだ。ねぇ、僕いつもこの時間に何かしてたんじゃないのかな?」
 
 「・・・・!!」

 
 ハリーの眠気はどこかへ吹っ飛んだ
 
 
 完璧じゃなかったか
 
 
 無理もない
 
 ハリーはこれまで一度も忘却術なんか使ったことないし
 
 下手したらロンの記憶すべてを消してしまうかもしれないから
 
 本気で魔法をかけるわけにはいかなかったのだ


 「し、知らないよ。考えすぎだって。」


 ハリーはかなり動揺していた


 「そうかなぁ?じゃあ寝るよ。おやすみ、ハリー。」

 「おやすみ。」




 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 翌朝、ハリーはハーマイオニーにこのことを話した
 
 
 「まずいわね。このままじゃホントに・・・」
 
 
 ハーマイオニーもハリーと同じくかなり動揺した
 
 
 「ねぇ、ロンに本当のこと言いましょうよ。どうせこのままじゃいずれ思い出してしまうと思うの。」

 「ダメだ!思い出さないかもしれないじゃないか!!僕たちから話すのはダメだ!!」


 ハリーはつい声を張り上げてしまった
 
 ハーマイオニーは驚きそして悲しみのあまり俯いてしまった
 
 
 「・・・ゴメン。」
 
 「もうのこと隠すのイヤよ・・・。」
 
 「キミだけじゃない僕だってつらいんだ。だけど、が望んだことなんだ。・・・一番つらいのは彼女だ。」


 今度は感情を抑えたハリー
 
 愛する人の心の中にも存在することを許されない哀れな彼女

 そんな彼女のことを思うとただ悔しくてならなかった
 
 



 「2人で何の話してるんだい?」
 
 
 ロンが何食わぬ顔で2人の前に現れた
 
 その姿を見てハーマイオニーは涙を流し口を押さえその場を去った
 
 
 「えっ!?ハーマイオニーどうしたの??」
 
 
 自分を見て突然去った彼女にロンは驚いた
 
 
 「俺なんかしたっけ?」
 
 「いや、何もして・・・・・」
 
 「本当にお前は何もしてないよ。」
 
 「フレッド、ジョージ!!」
 
 
 ハリーの言葉を遮って現れたのはロンの兄で双子のフレッドとジョージだった
 
 
 「まったく、お前はのん気なもんさ。」
 
 「どういうことだよ、ジョージ。」
 
 
 ロンは喧嘩を売られたと思いむっとした
 
 
 「こんなに気楽に毎日を送れるんだもんな。」
 
 「フレッド!!」
 
 
 2人がのことを言っているのに気付き
 
 ハリーは慌てて止めようとした

 
 「ハリー、俺たちは君等の考えには反対だ。」
 
 「あぁ、じゃなロニィ坊や。」
 
 
 フレッドは最後にロンの肩をぽんっとっ叩き2人は離れていった
 
 
 「ちぇっ。あいつらまた俺のことからかったんだ。」
 
 「・・・・・・・・・・・・。」
 
 「ハリー?」
 
 
 ハリーは予期せぬ事態に呆然と立ち尽くしていた
 
 
 「ねぇ、ハリー聞いてる?」
 
 「・・・あ、あぁ。」

 「キミまでどうしちゃったんだよ?」
 
 
 ロンはハリーの顔を覗き込んだ
 
 
 何で2人はのことを知っているんだ?

 このままでは危ない
 
 二人に邪魔される
 
 ハリーは困惑した