それからもロンは毎晩の元へ通った
そして2人はいつも他愛のない話をして時を過ごしていた
「そしたらさ、ハリーがそいつをバーンってふっ飛ばしたんだぜ。」
「アハハッ、すごぉい!!」
ロンの話はには新鮮でとてもおもしろかった
の笑顔は終始絶えなかった
「ロンって話し上手だね。すっごく楽しい。」
「そう?そうかな?///」
に褒められロンは照れた
「うん、ありがとね。」
はふわりと笑った
「あっ、今度友達も連れてきていいかな?」
「連れてきてくれるの?!ロンの友達なら大歓迎だよ。」
ロンは以前からハリーやハーマイオニーにを見せたくてたまらなかった
こんなに可愛くて優しい
協力してくれたハリーと
彼女のことを反対してるハーマイオニーに見せてやりたい
ロンといるとすごく幸せ
楽しくて優しくて
ずっと一緒にいたい
もしかして私―――――――
「。」
「あ、お父様。」
幸せそうに考え込んでいるに父親が声をかけた
「最近何かあったのか?」
「えっ!?な、何で?///」
は突然のことであたふたした
「いや、が幸せそだから。恋でもしてるのか?」
父は優しいふわりとした笑顔でに聞いた
「う、ううん。恋なんてしてないよ///」
「してないのか。、最近夜出かけてるようだが何処へ行ってる?」
父親はをまっすぐ見つめる
「えっと、友達のとこ。」
は無理矢理笑って見せた
「そうか。お前が人間と会っているという噂を聞いたのだが。もしそれが本当だったら・・・。」
「だ、大丈夫よ。」
罰を与えられるかもしれない
ロンに会えなくなるのなんて嫌
は不安を抱いたままロンの待つ水面まで向かった
「ロン。」
「やぁ、。」
きっと大丈夫
は自分にそう言い聞かせ笑顔でロンを迎えた
「あっ、。2人を紹介するよ。こっちがハリーで、こっちがハーマイオニー。」
「あなたたちの話はロンからいろいろ聞かせてもらってるわ。私は、よろしくね。」
「よろしく。」
「キミの話もロンから聞いてるよ。」
「おい、ハリー///」
3人の仲の良さには楽しそうに笑った
から見て2人はロンの話していた通りだった
「ねぇ、あなたこんなことしてていいの?水中人が人間と触れ合うなんて。」
ハーマイオニーの目は厳しく、それでいて心配そうだった
「本当はダメよ。わかってる。でも少しでもみんなと近くにいたいの。人間になれないのならせめて・・・」
「噂は本当だったのか。」
湖から低い声が聞こえた
「お、お父様!!」
の父親は怒りに満ちた顔だった
父親が姿を見せたことには目を見開き驚いている
「、自分が何をしているのかわかっているのか?人間と触れ合うことがどれだけ危険なことか。
奴らは魚を仲間などとは思っていない。平気で貪り食う奴らだぞ。」
「人間はそんな人たちばかりじゃない!!ここにいる彼らだって私の友達だもん。」
は精一杯父親に言い返した
しかしこれが父親の怒りを増すことになった
「がそこまで言うなら思い知らせてやろう。お前は人魚だ。こいつらと二度と関われないよう始末しよう。」
の父親はロンのほうを向いた
「お父様!!お願い、やめて。」
は必死で止めようと父親に抱きついた
しかし父親は迷うことなくロンに魔法を放った
そして光がロンを包んだ瞬間ロンはその場に倒れた
「いやぁぁぁ!!!!!」
はロンの元へ駆け寄った
その姿を見ての父親は悲しい目をして湖の底へと帰っていった
「ロン。ねぇ、返事・・・して・・よ。」
は目から伝うたくさんの雫を押さえきれずにいた
「!よく聞いて。ロン、まだ息してる!!」
「えっ!?」
「・・・・・・・・・。」
ハリーに言われ耳を澄ますとロンの弱りきったか細い息遣いが聞こえた
「生きてる・・・。」
とはいっても虫の息
いつ力尽きてもおかしくない状態だった
「ハリー、ハーマイオニー。こんなことになってしまって本当にごめんなさい。だけど、ちゃんとロン助けるから。」
はロンの頬にそっと手を添えた
「私だって、少しは魔法使えるのよ。」
「あなたもしかして・・・」
ハーマイオニーは目を見開き口を押さえた
「私の命を懸ければロンは治るわ。」
「でもそんなことしたってロンは喜ばない!!」
ハリーは首を横に振った
それを見てはふわりと微笑んだ
「なら、私のことを忘れれば大丈夫。もともといなかったことと思えばいいの。
ハリー、私がいなくなったらロンに忘却術をかけてね。私にはそんなこと出来ないから・・・」
「そんなこと・・・出来ないよ。」
「お願い・・・ロンのためなの。私なら大丈夫だから。思い出だけで十分だよ。」
は目にためた涙をこらえて笑った
「ハリー、ハーマイオニー。あなたたちに会えて本当に幸せだったわ。」
「ダメよ・・・。」
震える声でハーマイオニーが言った
しかしそんな声がに聞こえるはずがなかった
「ロン、愛してるわ。」
はロンの額に軽く唇を落とした
その瞬間には泡となり湖の中へ消えた
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