何でだろう・・・

 いつも悪戯されてばかりなのに

 何で好きなんだろう

 こんな自分を恨むよ





 悪戯





 「ロンー!!」


 また来た


 「なんだよ・・・わっ!!」


 ロンが振り向くとそこには大きな蜘蛛がいた

 もちろん魔法で作り出したもので

 すぐに消えてしまった


 「よしっ、よくやったぞ。」

 「流石我等の姫。」

 「えへへ、やったねぇ。2人のじゃないけど。」


 はロンに悪戯をした後すぐにフレッドとジョージの元へ行き

 ご褒美に頭を撫でてもらった


 「もーいい加減にしろよ。」

 「ごめんね、ビックリした?」


 がロンの顔を覗き込むようにして見ると

 ロンは顔を赤く染めてそっぽを向いた



 これが毎日の日課


 とフレッドとジョージの3人はありとあらゆる方法でロンに悪戯を仕掛けている

 でもどんなに悪戯されても

 ロンはだけは憎むことが出来なかった

 あの顔で見られると何でも許してしまう

 そんな自分にロンはため息をつく


 「元気ないね、ロン。」


 が心配そうに言うと

 2人は顔を合わせてニヤッと笑った


 「かわいそうなロニィ。」

 「俺たちで元気出してやろうぜ。」


 の両脇に立って肩を組むとに合図を送った


 「そぉだねぇ・・・何してあげよっか?」

 「ほっといてくれよ。」


 3人の様子に嫌な予感がしたロンは声を上げて出て行った












 「ねぇ、ロンに嫌われちゃったかなぁ?」


 ロンが出て行った後がおどおどしながら2人に聞いた


 「さぁねー。嫌われたくないのに悪戯するのはやめないんだろ?」

 「だって、悪戯してないとロンに関わるきっかけなくなっちゃうじゃん。」

 「「普通に話せばいいいじゃないか。」」


 の訳の解らない発言に2人は声を揃えて言い返した


 「それは・・・恥ずかしいし・・・///。」


 は顔を真っ赤にして俯いた


 「なぁフレッド。」

 「そうだよな、ジョージ。」


 2人は同時にため息をつく


 「何々?」

 「「可愛いんだよ。」」


 2人はの頭を撫でた


 「な、何するの?!///」

 「照れちゃってぇ。」

 「これだから姫は・・・しょうがないなぁ、俺達が恋のキューピットになってあげよう。」

 「ホント?!」


 は目を輝かせて2人を見た


 「あぁ、姫のためなら何でもしますよ。」

 「そうと決まれば、作戦だけど・・・」


 3人は丸くなりヒソヒソと話し始めた


















 「ロンー。」


 がロンのところへ向かったとき

 ロンは談話室で一人お菓子を食べていた


 「ロン、さっきはゴメンネ。」

 「・・・・・・・。」


 ロンはのほうを一瞬振り向いた後すぐに顔を背けた


 「もぉ、ロンってばぁ。」


 無視をするロンには頬を膨らませ

 どかどかとロンに近づきロンの頬に軽くキスをした


 「えっ??///」

 突然のことに驚きロンは思わず振り向いた


 「やっとちゃんと見てくれた。」


 はふわっとした笑顔をロンに向けた

 その笑顔にロンは顔を赤くした

 しかし一時考えたあとを睨んだ


 「またどうせ悪戯だろ?ふざけんなよ。」


 ロンは怒りを露にして部屋を出た


 「・・・違うよ・・・今のは悪戯じゃ・・ないのに。」


 はその場にへたり込み涙を流した















 自分の部屋でロンは一人さっきのことを思い出していた

 が自分の頬にキスをした

 思い出すだけで顔が赤くなりロンは枕に顔を伏せた


 あれは自分の心をもてあそんだ悪戯に違いない

 でももし違ったら?


 「そんなことないか。」


 ロンはそう自分に言い聞かせた


 「そんなことあるぜ。」


 ロンが考え込んでいるところにフレッドとジョージが現れた


 「何で来るんだよ。」


 ロンは思いっきり2人を睨んだ


 「のこと考えてたんだろ?」

 「かなり泣いてたぜ。」


 2人は逆にロンを睨み返した


 「泣いてたって・・なんでだよ?」


 ロンは自分の頬に手をあてた


 「さっきの・・・。」


 ロンは急いで談話室に向かった














 ロンが談話室まで来たときは机で一生懸命何かをしていた


 「。」


 声を掛けるとはビクッとしてこっちを振り向いた


 「ロ、ロン。あの・・・・」

 「ん?」


 机を見ると封筒が一つ置いてあった

 宛名に『Dear Ron』と書いてある小さな封筒だった


 「これ何?」


 ロンはその封筒を取って見た


 「あぁ、それはダメ!」

 「ダメって僕宛じゃないか。」

 「その前に聞いて。」


 はロンの袖をぎゅっと握った


 「今までのことホントゴメンネ。私ね、さっきの悪戯じゃなかったんだよ。

 でも普段が普段だからそう思われてもしょうがないって思った。

 だからね、手紙書いたら信じてくれるかなって・・・書いてみたの。」


 は静かに微笑んだ


 「あーうん。その、こっちこそごめん。僕、のこと好きなんだ。だからがそのこと知ってると思って・・・。」

 「今ロン告白した?」


 はぽかんとしたまま聞いた


 「そ、そうなるけど///そんなこと聞くなよ///」


 ロンは赤面した


 「ありがとう、ロン!」


 はロンに飛び付きぎゅっと抱きしめた


 「大好きだよ、ロン。」


 彼女がどんなに悪戯しても

 何故か恨めない自分がいる

 実は・・・

 それ自体が彼女の悪戯なんじゃないかな






 『
――――魔法でどんなに悪戯しても

                  心では悪戯できないよ
―――





 fin...

  


―――――――――――――――――――――――――――――

 「良かったなぁ、。」

 「大好きなロニィと結ばれて。」

 「うん、フレッドもジョージもありがとね。」

 「「どういたしまして。」」

 「まぁ、これで姫は我々とも結ばれたことになるな。」

 「へ?」

 「ロニィと結婚すれば俺たちの儀妹になるわけだからな。」

 「「これからもよろしくな、。」」